そう、のどの奥から絞り出した声は、自分でもひどく弱々しく、かすれていたように思う。
もしも俺が、何がなんでも街に残って仲間たちを探す、と言い張り、避難所を回って消息を調べていたら、秀斗とはもっと早くに再会できていたかもしれない、数々の仲間の死の痛みを、一緒に共有できていたかもしれない……。
そう思うと、後悔ばかりが押し寄せる。
けれど俺は、街を離れるほうを選んだ。
親父のため、母さんのために決断したと自分に言い聞かせてはいたが、本当にそうだったのだろうか……と、真一文字に唇を結び、じっと俺を見ている秀斗の目に、ふと疑問が浮かぶ。
「……本当にごめん、秀斗。秀斗を変えてしまったのは、きっと俺だ。たぶん俺は、母さんの実家に移って、心のどこかでほっとしたんだと思う。そんな俺が、秀斗と痛みを共有したいだなんて言う資格、ハナからなかったよな」
「知らないことは罪だ、航」
「……え」
すると秀斗は、俺の謝罪には触れず、低く唸るようにそう言うと、目を鋭くさて俺を見た。
対する俺は、分かったようなことを言うな、と叱責されると思っていただけに、秀斗の様子に意表を突かれてしまい、間抜けな声が出る。

