かけぬける青空は、きっと君とつながっている

 
高校に入学した当時、なぜかお互いに気に入らなく、勉強でもスポーツでも、勝負事とあればあからさまにライバル意識を燃やし、高校3年間の勝敗は、五分と五分の引き分けだった。

殴り合いのケンカをすることは、さすがになかったものの、ずいぶんと汚い言葉で言い合いもしたし、ぶつかり合ったりもした仲だ。

それでも、どうしてか一緒にいるのがお互いに一番しっくりきて、なんだかんだで3年間つるみ、気づけば腐れ縁という縁で結ばれていた。

だから秀斗が、聡が無事を知らせるなら俺が一番先だろう、と言ったのには頷けたのだが、いまだに連絡が入らないからといって、早々に死んでしまったと結論づけるのはどうしても納得できず、つい身を乗り出してしまったのだ。


「航、お前は何も分かっちゃいない」


けれど秀斗は、抑揚なくそう言う。

ムキになり、すぐに「何が分かっていないんだよ」と反論すると、しかし秀斗は、それに怯むことなく、さらにこう言葉を続けた。


「これだけ次々に仲間が死んでいったんだぞ、淡い期待を持ち続けるより、早く見切りをつけたほうが航のためだって言ってんだ。お前は震災を知らなさすぎる。だから、前と同じようにお前はお前のままでいられるんだ」