かけぬける青空は、きっと君とつながっている

 
どんな形であれ、家族のところへ戻れたのだ。

やはり他人事に聞こえてしまうだろうけれど、たったひとり残された妹のこれからの人生に幸福が訪れることを願わずにはいられない。

それくらいは願ってもいいだろう。

いや、願わせてほしい……。


「あんまり他人に感情移入しないほうがいいと思うぞ。どうせ何もできないんだ、ありがた迷惑って場合もある。それより、次は啓太だ。まだまだ続くぞ、しっかり聞けよ、航」

「……ああ」


すると、目をつぶり、じっと健司たち家族のことを考えている間にも、秀斗は先を急ぐように健司の隣を指で示し、口を開いた。

今日の秀斗は感情に波があるようだが、それでも、秀斗の言うことはもっともかもしれないと
思わせる説得力のようなものがある。

それは全て、仲間たちの安否をその目や耳で直接見聞きしてきたからこそで、俺なんかが異論を唱える隙間すら、少しもない。


秀斗の指先は、上段、4人目、俺から見て右端に写っている久我山啓太に移っていた。

すぐ下に写っている秀斗にプロレスの技をかけていて、2人とも、おどけて笑っている。

啓太と秀斗は一番仲がよく、3年間クラスも一緒で、部活もともにバスケ部の大親友だった。