かけぬける青空は、きっと君とつながっている

 
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そうして、地元の現状に後ろ髪を引かれる思いはありつつも、家族の後押しによって大学に通いはじめた俺は、しかし、1ヶ月と経たないうちに、すぐに地元の土を踏むことになる。

……連絡をもらったのだ。

仲間のうちの1人から。


【やっと連絡を取れる状況になった。
 遅くなってごめん。】


そんな内容のメールを携帯によこしてくれたのは、いくら避難所を探し回っても、なかなか安否が分からなかった、貝塚秀斗だった。

メールに気づいたのは学食で昼飯を食べるときで、すぐに電話をかけて会う約束を取り付け、その日のうちに新幹線に乗り、地元に戻る。

親父たちにも連絡を取り、それなら、ということで駅まで迎えに来てもらったり、滞在する支度をしてもらったりと、その日は慌ただしく終わり、翌日、秀斗に会うため、家を出た。


じいちゃんから軽トラを借り、沿岸部まで片道2時間の道のりをひたすら運転していく。

秀斗は今、仮設住宅にいるそうだ。

詳しいことは会ってから話したい、ということで、秀斗の家族のことや、ほかの仲間たちのことはまだ聞けていないけれど、会わないと話せない、とも取れる秀斗の言葉から察するに、いろいろと覚悟を決めなければならないのかもしれない……と、否応なしに思わされる。