かけぬける青空は、きっと君とつながっている

 
東北新幹線は、つい最近、全線運転を再開したばかりで、本当に少しずつだけれど、日常を取り戻しつつあるように感じる。

ただ、街を歩けば、支援物資を運ぶトラックがまだまだ道路を走っていて、駅に向かう途中にも、10台ほどのトラックの列とすれ違った。


復興はちゃんと始まっているのだろうか……。

母さんの実家に移ってきたばかりのときは、沿岸部と内陸部とでは、同じ県内でも震災に対する温度差があることにひどく驚き、もっと沿岸部に目を向けてくれよ、と腹が立つこともあったけれど、今では、その感情も少しずつ薄れていっているのが、やけにやるせない。

すると……。


「進学を強く勧めたのは父さんたちだが……航、辛くなったら戻ってきていいからな」


トラックをぼんやりと見送り、そのまま窓の外に目を向けていると、親父が唐突に口を開き、俺は眉間にシワを寄せ運転席に目をやった。

何を言い出すんだ、今さら。

母さんにも頑張れと言われたばかりで、俺だって、自分なりに葛藤もあったし、悩んで悩んで大学に行こうと決心をしたというのに。

そもそも、大学には行ったほうがいい、と、しつこく勧めてきたのは親父のほうじゃないか。