かけぬける青空は、きっと君とつながっている

 
結局、俺が選んだのは、母さんの実家に移る、その選択肢で、日程が決まると、少ない荷物をまとめ、集会所を出て行くこととなる。

仮設住宅の建設も急ピッチで進めてはいても、なかなか避難所を出られない人もいる中、俺たち家族がした選択が正しかったのか、間違っていたのかは、おそらく、一生をかけても答えが出ないまま考え続けることになると思う。


ただ、俺たち家族がこの街に留まり続けることで、確実に仮設住宅に移れない人たちがいて、国内外から送ってくださる温かい支援のうちのいくつかは、俺たちなんかよりずっと必要としている人たちに行き渡らないのだ。

それを考えると、果たしてこの街にいるべきなのかと次第に疑問が膨らんでいき、やがて、母さんの実家に世話になろう、そういう気持ちに徐々に移り変わっていったのだった。


来てもいいと言ってくれる人がいる。

住まわせてもらえる家もある。

それでいいじゃないか。

それでいいはず……なのだ。


そうして、新年度が始まるのとほぼ同時に母さんの実家に移った俺たちは、両親の強い希望もあり、すぐに俺だけ、他県の大学へ通うため、落ち着く間もなく家を出ることとなった。