かけぬける青空は、きっと君とつながっている

 
ここの辺りは、幸いにも携帯の電波は入るようで、一斉送信で送ったメールは、ほどなくして『送信されました』と画面に表示が出る。


「……よし」


そう小さく呟き、電源を落とす。

おそらく、電気の復旧の目処は立っていないだろうし、むやみやたらに携帯は使わないほういいだろう、ということで、数時間ごとに問い合わせをして、家族や仲間たちからの連絡が入っていないかを確認することにする。

本当は、今すぐにでも問い合わせたい気持ちは山々なのだけれど、さっきの男性の明るさを思い出し、まずは日の出までは携帯の電源は入れないようにしよう、そう決めたのだった。


しかし、夜はとてつもなく長く感じた。

腕時計を持っている人に何度となく時刻を聞いてみたところで、さっき尋ねてから、まだ20分しか経っていない、30分しか経っていない……という感じで、体感している時間と実際の時間の進み具合が全く合っていないのだ。


まだか……。

夜明けはまだなのか……。

さっき、声をかけてくれた男性の明るさに救われてはいたものの、やはり焦りばかりが募る。

そのうち、もしかしたら、永遠に夜は明けないのではないか、とさえ思えてきてしまって、どこまでも真っ暗闇な空を見上げては、その不安に押しつぶされそうになった。