かけぬける青空は、きっと君とつながっている

 
やがて、夜は深い時間へと更けていく。

今夜はとうてい眠れない、そう思った俺は、外でドラム缶に薪をくべて明かりと暖を取っている人たちの中に入れてもらうことにし、パチパチと弾ける火花の音を聞きながら、もくもくと上がっていく煙をぼんやりと眺めていた。


「答えにくいことだったら、ごめん。……その、君、ご家族と連絡は取ったの?」


すると、隣に腰かけてきた、俺より1つか2つ年上に見える若い男性に聞かれ、そのときになってようやく、俺はまだ家族に無事を知らせるメールを送っていなかったことに気づいた。

ダウンジャケットの中から慌てて携帯を取り出しながら「これからです」と、短く答える。


「そっか。じゃあ、無事なんだね?」

「ええ。今日はたまたま内陸に行っているんです、両親とも。兄弟もいないですし。……あの、すみません、そちらは……どうですか?」

「俺? 俺は、家族は大丈夫だった。ただ、彼女とは連絡が取れなくてね。ああ、でも、携帯を携帯しないでデートに来たりする子だから、今日も携帯を持っていないだけかも。悪運だって強いし、きっと無事だと思うよ」

「そうでしたか……」


この人の明るさに、少し救われる。