かけぬける青空は、きっと君とつながっている

 
しかし、集会所は、もう限界を超えていた。

座るのがやっと、という中の状況を見た人からは、車で避難してきたから徒歩の人を優先的に中に入れてやってほしい、自分は車で一晩を過ごすから、と言う人も出てきて、その気遣いが嬉しくもあったけれど、申し訳なくも思う。

それに、人を押しのけて中に入ってくる人もいなければ、座れないことに文句を言う人もおらず、みんなきちんと並び、順番を待つのだ。

日本人的、と言えばそれまでのことだけれど、そこには確かに“昔からの地域のつながり”というものが力強く根ざしていて、温かい。


「君も少し休むといい。ずっと動きっぱなしで疲れただろう、外で女の人たちが炊き出しをはじめたようだから、温まっておいで」

「すみません、ありがとうございます」


避難所作りの指示を出していた男性が俺のところに声をかけに来てくれ、その言葉に甘え、避難誘導を代わってもらって外に出る。

集会所の中は、近所の人が持ち寄ったろうそくや懐中電灯の明かりでほのかに明るかったけれど、外は、当然ながら中とは違って闇だった。


集会所の周りは、車のヘッドライトで照らしてくれる人たちのおかげで、確かに明るい。

ただ、一歩、道路に出てみれば、闇なのだ。