そうしている間にも、余震は相次ぐ。
そのたびに、小さな集会所の建物はガタガタと大きな音を立てて揺れ、泣きはじめてしまった子もいれば、悲鳴を上げる子も多かった。
もちろん大人たちも、今夜は、明日は、1週間後は……と、どうなるか全く分からない状況の中では、余裕などあるはずもない。
ただ、親たちは、子どもを守らなければ、その気持ちだけで、なんとか心を折らずに踏みとどまっているようで、ほかの大人たちも、それぞれに役割を買って出たり、自分にできることをしたりするなど、体を動かすことで、ほんの一時だけでも、最悪の事態を想像してしまいそうになる思考を遅らせているようだった。
「あ、どうぞ。ここ、座ってください」
「ありがとう」
そういう俺も、家族のほうはいいとしても、仲間たちの安否が心配でたまらなく、ただここで無事を祈ることしかできないもどかしさに、頭がどうにかなりそうなくらいだ。
けれど、次々に集会所の中に入ってくる人たちを誘導することで気を紛らわせ、あるいは、目の前の今の自分の役割に没頭することで、どうにかこうにか、気を保っていた。
いつの間にか、辺りは暗くなっている。
外には相変わらず人が溢れかえっている。
急がなければ……。

