かけぬける青空は、きっと君とつながっている

 
そう言うと、間宮さんは「そうか」とだけ相づちを打ち、あたしを背負い直すと、そのまま緩くて長い坂道を上り続ける。

ハル、香ちゃん、2人の家族など、いろいろな方向から考えていくと、今日のことは、けしていいことではなく、あと少し連絡が遅かったら警察に相談をしに行くところだったそうで、駆け落ち以外に方法はなかったのだろうか、と感じるのが、あたしの正直な意見でもあった。

ただ、やっぱりあたしは、2人を羨ましいと思ったし、2人が無事に帰ってこられた今となっては、それ以外に思いつくことはない。


「……俺は、正直、腹が立った」


すると間宮さんは、あたしを背負う腕にいくぶん力を込め、静かにそう言った。


「俺は全くの他人だから、そう思っただけだ。あの2人のことは俺には関係ないし、駆け落ちでもなんでも、勝手にしてくれ、って思う。お前があんまり血相を変えて“駆け落ちした”なんて言うから、気まぐれでつき合っただけだし」

「……そう、でしたか」

「ああ。だから俺は、腹が立った。お前に倒れるくらいの心配をかけさせやがって。バカか。前もって駆け落ちするのを知らせていても、そうじゃなくても、どっちみち心配しかかけさせないんだから、最初からすんな、って話だ」