ゲームセンターやカラオケ店も、年齢によって入店できる時間が決められていたり、身分の証明を求められたりして、ビジネスホテルが無理ならそちらで夜を明かす、というのも難しいのではないか、と受付の男性は答える。
受付の男性は、このホテルには高校生くらいの男女は訪れていないと言い、ほかのホテルに行ったとしても断られるだろう、と、申しわけなさそうに眉尻を下げ、礼を言い、ホテルをあとにするあたしにたちに深々と頭を下げた。
「そんな……。じゃあ、2人はどこに?」
「……、……」
「……」
ホテルを出て少し歩いたところで、思わず立ち止まってしまったあたしのか細い声は、誰に拾われることもなく、夕闇に吸い込まれる。
辺りはもう、ほとんど夜だ。
たくさんの人で賑わう時間帯は、まだうまくやり過ごせても、夜が深くなり、深夜と呼ばれる時間帯になってくれば話は違うわけで、一晩中街を歩き回るわけにもいかないだろうし、早く見つけ出さなければ、と、気ばかりが焦る。
けれど、駅周辺では体を休める場所がないと分かった今、残るところは、間宮さんが検索してくれた例の場所のほかにはないように思う。
すぐに見つけ出せる気がする、なんて悠長に構えていたのは、一体、どこの誰だ……。

