かけぬける青空は、きっと君とつながっている

 
あたしはそれに、たっぷりと間を取ってから無言で携帯を差し出し、間宮さんが受け取った感触が手に伝わると、窓の外へ視線を投げた。

正直、あまり見たいものではないのがあたしの心境といったところで、代わりに間宮さんが検索してくれるのは、大いに助かるのだけれど、どうにもさっきのストレートすぎる言い方が気になるあたしは、少しの反抗心も込めて、そういった不機嫌な態度を取ってしまったのだ。


それはさておき、どうして2人は“駆け落ち”だなんていう強行に出たのだろうか、と、街を行くたくさんの人たちを眺めながら改めて思う。

あたしの目からは、2人のつき合いはとても順調そうに見え、そのうちお互いの家族も公認のカップルになり、ゆっくりだけれど、着実に一歩一歩、愛を育んでいくように思えていた。

それが、突然の駆け落ち……。

相思相愛という言葉がぴったり当てはまる2人だからこそ、駆け落ちを決行したとも考えられるのだけれど、まさか、香ちゃんのお腹の中にハルとの新しい命が……? と思えなくもない状況に、2人を見つけたところであたしに何ができるだろう、と、どうしても考えてしまう。


「ほら。返すわ」

「……あ、はい」