かけぬける青空は、きっと君とつながっている

 
「やっぱり、朝まで営業しているお店は、駅の周辺に集中しているみたいです。どうしましょう、駅から少し離れた場所や市外も、一応、検索してみましょうか。……そうなると、えーと、わりと大人のホテルが多いと思いますけど」


動物園から出ているシャトルバスに乗り、とりあえずは駅を目指しながら、携帯で検索した先ほどの結果を間宮さんに伝える。

夕日はすでにほとんどが山の向こうに沈んでしまっていて、東の空は、うっすらと暗くなり、その空の中には、ところどころにほのかに星が瞬いている様子もバスの窓から見えた。


「ま、一応な。駆け落ち初日だから、行かないこともないとは思うけど、どうなんだろうな。嫌だったら俺が代わりに検索するぞ。実際、幼なじみと友だちが、どこのラブホに泊まるだろう、って考えながら探すの、辛いだろ」

「やめてくださいよ、そういうの」


できるだけ、やんわりとした表現をしようと心がけていたのに、間宮さんは逆にストレートに言ってくるものだから、つい語気が荒くなる。

はっきり言いすぎだ、間宮さん……。

すると、間宮さんは「あのな……まあ、いい。貸せ、俺が調べる」と言いながら、あたしに、携帯をよこせ、と手をひらひらさせる。