かけぬける青空は、きっと君とつながっている

 
そうして、数分後、目指すキリン舎が見えてくると、あたしたちは走ってそこへ行き、2人の姿を見つけようと躍起になって探した。

けれど、何度探してみても2人の姿はなく、そのうち夕日は山の向こうに沈みはじめ、次いで閉園のアナウンスも聞こえてきて、あたしの心臓は、バクバクと嫌な音を立てはじめる。


ハルと香ちゃん、一体どこに行ったの……。

動物園にいないとなると、すでにどこか休める場所を探しはじめているということだろうか。

ホテルでも、寝泊まりができるネットカフェでも、24時間営業のファミレスでも、カラオケ店でも、この街は、探せば探しただけ、そういう場所が出てくるくらい、大きい街なのだ。

どうしよう、どうしよう……。


「……間宮さん」

「分かってる。とりあえず、閉園まで外で待って、2人が出てくるかどうかを確かめるのがいいだろう。キリン舎のところにいなかっただけで、ほかを見て回っているかもしれない」

「はい。あの、もし出てこなかったら……?」

「全力で探すのみ」

「わ、分かりました!」


うろたえるあたしに、間宮さんはてきぱきと指示を出してくれ、最後には「全力で探すのみ」という、なんとも力強い言葉をくれる。