2人の行方が気がかりなことに変わりはない。
けれど、間宮さんといると、不思議と2人のことをすぐに見つけられるような気がしてくるのも本当で、もっと言うと、2人は無事に戻ってくる、と思えるから、やはり不思議だ。
間宮さんはおそらく、あたしの精神安定剤のような存在なのだろうと思う。
この緊迫した状況の中において、間宮さんの普段と変わらないあたしへの接し方は、あたしにとって、とても心強いもので、逆に安心する。
「……この間は、悪かった」
すると、唐突に間宮さんが口を開いた。
普段が普段なだけに、そう言ったことにも驚いたのだけれど、何に対しての「悪かった」なのかがよく分からないあたしは、目を見開き、間宮さんを見つめたまま、言葉を返せない。
そうして、しばし黙っていると、まるで「察しが悪い」と言いたげな顔でため息をついた間宮さんは、窓枠に片肘をかけ、こう言う。
「真夜中に1人でお前を帰らせて悪かった、って言ってんだよ。……いや、違う。俺を好きにはなるな、みたいなことを言って、どんだけ自惚れで自意識過剰なんだよ、って話だ。お前にだって、選ぶ権利くらい、あるのにな」
「はあ……」

