かけぬける青空は、きっと君とつながっている

 
けれど、間宮さんは言う。


「バカか、お前は。そんなの、行ってみなけりゃ分かんねーじゃねえか。違ったら違ったでいい。そしたらまた次の手を考えろ、アホが」


そう、語気を荒げて。

そして、続けてこうも言うのだ。


「何かあってからじゃ遅いんだぞ。後悔してもしきれない後悔なんて、しないに越したことはないんだ。つべこべ言ってないで行くぞ」

「は、はい……っ!」


間宮さんのあまりの迫力に、2人にもしものことがあったら……と、全身に恐怖が走る。

あの2人に限って、とか、2人なら大丈夫、とかいう不確かなものにすがるより、一か八か、間違っていてもいいから、何か行動に移したほうがいいに決まっているのだ。

少なくとも、ずっと駅にいるよりはいい。

民宿でハルからの電話を受け、間宮さんに、急いで出かける支度をしろ、と言われたときと同様、またしても弾けるように返事をすると、あたしも一緒になって時刻表の冊子を覗き込む。


間宮さんの言葉の中には、自分が経験したことへの後悔の念も、ひしひしと感じられ、間違ったことを言ってしまった、と申し訳なく思う。

正直なところ、2人が駆け落ちをした、と言ったところで「そのうち戻るだろ」などと言われることも覚悟していたけれど、今回の件に関しての間宮さんは、もしかしたら、あたしよりも2人のことを案じているのかもしれない。