かけぬける青空は、きっと君とつながっている

 
そんな矢先、間宮さんから助け舟が出された。

具体的に例を挙げてもらったことで考えの幅が広がり、次第に、そういえば……と思い当たる節が出てきて、はっと隣の間宮さんを見上げる。


「そういえば、隣の県なんですけど、動物園に行きたい、って香ちゃんが言っていたのを思い出しました。キリンの赤ちゃんが産まれたとかで、それを近いうちに見に行きたいって」

「それだ。でかしたぞ、菜月」

「でも、本当に動物園に行ったんでしょうか。今から行っても、たぶん着くのは閉園時間ギリギリですよ。それに、もしも行き先が動物園じゃなかったら、無駄足になっちゃいます」


間宮さんは、さっそく路線を調べるため、近くにあった時刻表の冊子を手に取るも、果たして2人が本当に動物園に向かったのかと自信が持てないあたしは、かなり時間がかかる移動に、当てが外れたらどうしよう……と思う。

間宮さんは知らなくて当然なのだけれど、隣の県に行くには、まず、このローカル線の終点まで行かなければならないはずで、確か乗り換えもあり、下手をすると、1時間以上、待たなければならないこともあるように記憶している。

その待ち時間や移動時間のことを考えると、うかつには動けない気がして、思わず間宮さんを止めてしまったあたしだった。