かけぬける青空は、きっと君とつながっている

 
すると、朝食を食べ終わって戻ってきた間宮さんに声をかけられ、とっさにそう、口にする。

邪魔、と言われたのは『潮風の間』の真ん前に掃除用具を置きっぱなしにして立っていたからだったのだけれど、今はそれどころではない。

駆け落ちだなんていう、ちょっとやそっとでは考えつかないような強行に出た2人のことが、とても気がかりで、早く見つけ出して、理由だけでも聞かなければ……と、そればかりだ。


「駆け落ち? あの2人が?」

「そうなんですっ。今、携帯に電話があって、ハルにそう言われました。大丈夫だから、ってことだったんですけど、あたしのところに家族が訪ねてきても、知らないとしらを切ってほしいって……。あたしには、あとから知って心配するといけないから連絡をしたみたいです」

「行き先は?」

「聞く前に電話を切られました。駆け落ちまでするなんて……。何があったんでしょうか」

「……、……うーん」


聞かれて答えると、間宮さんは顎に指をかけ、一生懸命に思案しはじめる。

間宮さんとあたしは、あくまで、民宿の人間とお客さん、という関係だ、ということを忘れているわけでは、けしてなかった。

それでも、この緊急事態。