かけぬける青空は、きっと君とつながっている

 
赤い満月、それも、普段の何倍も大きく見える満月を見たことがあるだろうか。

それがあたしは一番好きで、気になって調べたことがあるのだけれど、簡単に言うと、月の高度が低いときに見られる現象なのだそうだ。


もともと地球の周りにはたくさんの大気の層があって、あたしたちはいつも、その層を通して月を見ていることになる。

虹の七色に例えられるように青から赤までさまざまな色の光は、全体としては白っぽく、月からの光も最初は白っぽいのだそうだ。

ただ、月の高度が低いと、真上にある月を見るときと違って層が厚く見える関係で、青い光は通しにくく、逆に赤い光をよく通すため、月が赤っぽく見えるということだった。


「……すげーな」

「ね!すごいですよね!」

「いや、そうじゃなくて……」

「はい?」


説明し終えると、間宮さんは呆気にとられたように数度ゆっくりと瞬きをし、口を開く。

けれどあたしは“すげーな"の意味するところがよく分からなくて、赤い満月のことじゃないんですか? と首をかしげてしまった。

すると。


「お前の説明、どんだけ流ちょうなんだよ」

「ああ……」


そっちの“すげーな"か。