かけぬける青空は、きっと君とつながっている

 
離れて暮らしていても、考えや思うところが違っていても、ちゃんと家族なのだ。

どんなに長い時間、こじれたままでいたとしても、理解しあえないことはない。

特殊な場合もあるかもしれないけれど、2人に関したことで言えば、あたしはそう思う。


「……て、私、なんだか駄々をこねてばかりいる子どもみたいね。いつの間にこうなっちゃったのかしら。菜月のほうがずっと大人だわ」


なんと言おうかと言葉を探しあぐねていると、そう言ったお母さんは勢いをつけてソファーから立ち上がり、スタスタと歩いていく。

呆気に取られながらもどこに向かうのかと見てみると、行き先はどうやら台所らしい。


「イカ焼きのほかには? 手伝うからさっさと作ってしまいましょ。あー、お腹空いた」

「なんだい、菜月の前で。まったく、しょうがない子だね、奈緒子は……。じゃあ、オクラをさっと湯通ししてもらおうかい。人手はあるに越したことはないからね。それくらい、奈緒子ならパパっとできるだろ?」

「ほんっと、一言も二言も多いんだから」

「ぷっ」


お母さんもおばあちゃんも、やっぱり少し子どもみたいなところがあるのかもしれない。

2人の、わだかまりが取れたのか、そうじゃないのかよく分からない会話を聞いて、あたしは思わず吹き出して笑ってしまった。