12月

もう周りは、クリスマスモードだ。
病院でも、子供たちがいつも以上に元気がいい。
「あと、1年かぁー。」
病院にずっといるくらいだから友達なんてゆうちゃん以外にはいない。
私は手に、ペンを持った。
そして便箋に向かった。
でも手紙なんて書けなかった。
書こうとしても、涙が出て。手が震えて。
私は、書くのをやめて屋上に行った。
ここはゆうちゃんとの初めてのデート場所だった。
「いつか、僕がうーんと大きくなったらあこちゃんを世界中に連れていくんだ!」
この先にまっている未来なんてしらずに。
私たちは約束をしてしまった。
叶うはずのない。
無意味な約束を。



部屋に戻るとゆうちゃんがいた。
入ろうとして足を止めた。

ゆうちゃんは泣いていた。