華城 月（はなくずく つき）
それが少女の名前。気がつくと周りから誰もいなくなり、もちろん友達も。
纏わりつく言葉たち。
やめて。関係ないじゃないの!!
どうして“私”なの？
心の中で叫んでも、先生でさえ私を無視。
今日も昨日と変わらない日々。
誰にも見つからずに教室から出てどこに向かっているのかわからない。

「……」

どうして？
いつから？
私だけが？
なんで？

「……」

考えことをしていたので人がいたのに気がつけず転んでしまった。

「大丈夫か？」

「あ、はい……。
大丈夫、です……」

手を差し出してくれた人から反射的に手を引っ込め、月は自分で立ち上がる。

「ありがとうございます」

遠くから声が聞こえ、その声に反応して急いでその場をあとに駆け出そうとする。

「君、もしかして追われてるのか？」

と、言うといきなり手首を掴まれ後ろの扉を開き手荒に教室の中に月を入れる。

「！！」

「静かに」

何人かの足跡が聞こえる。と、思ったら扉の向こうに自分を追いかけていた男子と月がぶつかった人が話をしているのが聞こえる。