「おいっ!!!千景!!瑠奈はどこだよ!?」


煩いのが来たと思ったら、知り合いだった。


「ここだよ、紫苑…」


荒井 紫苑(アライ シオン)

まぁ、幼馴染みとでも言っておこうか…。


「おー、瑠奈ー!!ここに居たのか!!!」


これでも、全国一の暴走族の幹部だった人。

少しムカついたので、無言で睨む。


「ごめんなさい…」



「別に…」


紫苑は私を上に上げた。


「んじゃ、行くわ」


紫苑はそのまま私を担いで、理事長室を出た。


「瑠奈ー…、なんで帰ってきた?」


紫苑は2-Aのドアのところで下ろしながら、聞いてきた。


「気まぐれ…」


紫苑は私の頭を撫で、そうか、と呟いた。


「入って来いよ?」


コクンと頷き、紫苑は微笑んで教室に入った。