「ヤッホー傷。おはよーさん☆」


いつにも増して爽やかな笑顔が、朝の風に吹かれて佇んでいた。


「じっ……淳夜さ―――うぉっ!?」


「ワンワンワンワンッッ!!」


そこにいたのはご臨終のパトラッシュ、ではなく至って健康そうなビル・ゲイツの鼻面。

相変わらず空から降りて来た天の使いもビックリして地獄に叩き落としてしまいそうなほどデカい。


「……うん、真夏に凍死はないよな。ここは四季のある国・日本だぜ」


「傷、起きたばかりで寝ぼけてるのかい?あーさでーすよー」


「うるさい!!メチャクチャはっきりしとるわ!!!!」


「寝ながら目覚まし時計ぶっ壊しといてよく言うよ」

「へ?」


身体を捻ってベッドの枕元を見ると、そこには原型を留めていない一昨日買ったばかりのアラーム機能付きデジタル時計が。


「もはや謎の物体Xになってるんだけど」


「これは違ーよ、ほら、一足早いクリスマスプレゼントだよ」


「とんだクレイジーサンタだなオイ」


てゆーかさっきの擬音はこれか。