数分前。
ガタリ。
音を立てながら、傷が突然立ち上がった。
「え―――」
担任が驚いた顔をする。
「傷君、どうかしましたか?」
「先生、ちょっと用事があるんで早退しまーす」
「待ちなさいコラ。まだ配り物がありますよ。ホラ、傷君が好きなお饅頭も」
そう言って、白い小袋に入った紅白饅頭を指し示す。
傷は小首を傾げて、
「別に饅頭が好きな訳じゃないけど―――そんなモノは犬にでも、いや大志にでも喰わせてしまえ」
「押し付ける気かい」
「それじゃ桜木君、後で傷君の家に届けて下さいね」
「あんたも何了承してんの」
「じゃなー大志ー」
「嘘、本気で帰んの!?」
やがて大志はゆるゆると首を振って、諦めたように嘆息する。
「……あんまり遅かったらビル・ゲイツに食べさせちゃうからね」
「ん。ありがとなー」
「どーいたしまして」
「ホント……ちゃんと帰って来てよね…………」
「何か言いました?桜木君?」
「いいえー」
ガタリ。
音を立てながら、傷が突然立ち上がった。
「え―――」
担任が驚いた顔をする。
「傷君、どうかしましたか?」
「先生、ちょっと用事があるんで早退しまーす」
「待ちなさいコラ。まだ配り物がありますよ。ホラ、傷君が好きなお饅頭も」
そう言って、白い小袋に入った紅白饅頭を指し示す。
傷は小首を傾げて、
「別に饅頭が好きな訳じゃないけど―――そんなモノは犬にでも、いや大志にでも喰わせてしまえ」
「押し付ける気かい」
「それじゃ桜木君、後で傷君の家に届けて下さいね」
「あんたも何了承してんの」
「じゃなー大志ー」
「嘘、本気で帰んの!?」
やがて大志はゆるゆると首を振って、諦めたように嘆息する。
「……あんまり遅かったらビル・ゲイツに食べさせちゃうからね」
「ん。ありがとなー」
「どーいたしまして」
「ホント……ちゃんと帰って来てよね…………」
「何か言いました?桜木君?」
「いいえー」
