でも、ここはホントに行きたかった高校じゃない。別に、第三志望にも入らないようなとこでもない。だけど。やっぱり辛かった。あんなに頑張ったのに、あんなにみんなに期待して貰っていたのに。…悲劇は起きたんだ。そう、これはちょうど受験の5日前だった。


ー【乃々香ぁー!!急いで!!】
大きな声で呼ぶのは親友の舟本 亜咲。(ふなもと あさき) 亜咲と私は、中3の春、クラス替えの際に知り合った。
私、乃々香はちょっと…じゃなく、かなりの人恐怖症。そんな私だから一年ずつ変わっていくクラスには、毎年慣れるまで時間がかかっていた。でも、そんな私に最初に話しかけてくれたのは、当時転校生だった、亜咲だった。