その指に触れて

もう一度頬に触れる。


それだけなのに、心臓がバクバクしていた。


いけないことをしている気分。


遥斗の頬は汗をかいていてしっとりとしていた。


やっぱり暑いんだな。


こんな状況で爆睡しているということはよっぽど眠かったのだろう。


三日間何も食べなかったってことは、寝ることもままならなかったと思う。


指を額に移動させて前髪をかきあげる。遥斗の白い額が露になって顔全体がすっきり見える。


こんなに綺麗なんだもん。女の子はほっとかないよ。


熱い汗が指にまとわりつくけど気にならない。


……触れたい。


ごくりと唾を飲み込む。


もう寝込み襲ってるようなものだけど。


……さっき、遥斗は緊張しなかったのだろうか。


あたしは少し触れるだけで罪悪感にも似た緊張感があるというのに。


おそるおそる口元に濡れた指を持っていく。


これで起きられたら、弁解の余地がない。