その指に触れて

それから遥斗の隣に座って、寝顔をずっと見ていた。


幸いにも遥斗はこっちを見て寝ていたから、寝顔が見放題だった。


「無防備……」


思わず笑いが込み上げてくる。


男の寝顔ってなんでこんなに可愛いのだろう。


髪伸ばしたら完全に女の子だよ。


あたしも机に顔をつけて同じ目線で遥斗を見る。


ほんと可愛い……。


無防備なその顔に触れてみたい。


わずかに開いた唇が綺麗だ。


その唇を塞いで、触れて、跡をつけてめちゃくちゃにしてやりたい。


あたしはきっとノーマルの類いではないだろう。


「遥斗」


呼んでみる。


目の前の男は睫毛すらぴくりとも動かなかった。


すやすやという寝息がぴったりだ。


「……ほんとに寝てる?」


遥斗の頬に手を伸ばす。


わずかに震える指で肌に触れた瞬間、指の先から電気のようなものが全身を巡った。


うわ……やばい。


柄にもなく緊張していた。