その指に触れて

「今日は?」

「お昼休みに最終的な仕上げをしたから食べてない」

「朝は?」

「寝坊したから食べてない……」

「ばっかじゃないの? それで土曜日から飲まず食わずでしょ?」

「いや、飲み物は飲んだよ」

「何?」

「水」

「……よく今日まで生きてこれたね」

「意外に生きられるもんだね」

「まあ、水さえ摂ってれば一週間は死ぬことはない……って、そんなことより何か食べなさいよ。お腹すいてないの?」

「全然。空腹の限界を過ぎたんだろうね」

「ほんとバカだね、あんた」


もはや呆れる。


あたしはそう言って美術室を出た。


「ま、万梨ちゃん?」


美術室の前の自販機で野菜ジュースを買って、遥斗に向かって投げつけた。


「うわっ!」


勢いよく飛んだ野菜ジュースの紙パックは、伸ばした遥斗の手をすり抜けて額に直撃した。