その指に触れて

「は?」

「ゆみちゃんは俺の姉ちゃん」

「はあ?」


意味がわからない。


「どういうこと?」

「俺の姉ちゃんはすごいメール魔なんだよ。一日30通くらい来るから、返事をすることは少ないけど」

「いや、ほぼないの方が正しいよね」

「俺の用事は電話で済ませるから」

「あ、だから返事少ないんだ」


って、感心するとこはそこじゃなくて。


「あんた、その姉ちゃんを名前呼びしてんの?」

「姉ちゃんって呼ぶとめっちゃキレられるんだもん。一回ゆみ姉ちゃんって呼んでみたら、ぶっ飛ばされた」

「はあ……」


いや、どうでもいいけどさ、あんたの家庭事情なんか。