その指に触れて

「ていうかさ、ゆみちゃんはあんたの彼女?」

「え、今その話掘り下げてくる?」

「気になったら聞かずにはいられない質で」


かなりのめんどくさがりだけど。


「こっちは一ヵ月もゆみちゃんにされてたんだからね。聞く権利はあるでしょ」

「え~。話すのは別にいいけど、引くかもよ」

「それ以前に、メールの内容に引いてるから」

「俺だって、ゆみちゃん以外にあんなメール送らないよ。普段はあんなに顔文字とかハートマークとは無縁なんだから」

「じゃあ、ゆみちゃんは特別なわけだ」


あたしはにやっと笑ってみせた。


料理まで作ってもらえているのだから、かなり親しいことは確かだ。


「う~ん、特別っていうか……」

「いいよ、別に。他言するつもりないし」


あ、でも瞳と睦実と汐香には話すかな。あんだけ話しちゃったし。


「他言しても困らないけどさあ~」

「困らないんかい」

「姉ちゃんだよ」


いきなり核心を言われて、あたしは一瞬何のことだか理解できなかった。