その指に触れて

「知ってたんだね」

「何が?」

「あたしがM大合格したこと」

「晃彦から聞いた。俺は興味なかったけど」

「あっそ」


突き放すなあ、相変わらず。


「あのさ、万梨ちゃん」

「何?」

「前にも言ったけど……」

「もう関わるなって話? まだ続いてたの?」

「わかってるんならなんで」

「あれは受験勉強に集中したいからじゃなかったの? あの約束は永久保存版? あたしじゃなかったら、確実に忘れてる」

「万梨ちゃんじゃなかったらって……」

「しかもなんでそんな相手に酒出すの? 帰したかったら、邪険に追い払うなり、家に上げてもさっさと帰ってもらうなりするでしょ。あたし、もう二本目だからね。もう今日は泊まってくからね」

「や、それはせめて駅まで送る……」

「暴力団うろついてんでしょ? そんな危険なこと、遥斗がするはずないでしょ」

「……万梨ちゃん」

「あたしのこと嫌いなら、こんなことするはずない」


あたしはきっぱりと言い放った。