その指に触れて

「汐香、あんたもだいぶポジティブだね」

「間違ってはいないと思うけど。だってさ、今まだ二年生の十一月だよ。志望校を決めてる人は少なくないだろうけど、まだここを受けるなんて他人に言えないじゃん。それをあえて万梨子に話したってことは、希望はあると思うよ」

「ただ、自信があるだけだと思うけど」


たぶん、遥斗の成績なら指定校推薦で行くことは決して不可能ではないはずだ。


本人もそれはわかっていることだろうし。


「それでも普通の人なら言わないわよ。山田くん、常識人でしょ?」

「まあ、あたしよりはずっと常識人だろうけど」

「追いかけてこいって、好きならやってみろっていう山田くんからの挑戦状よ」

「……あいつ、だいぶ上から目線だな」


仮にも好きな人だけどさ。


「そりゃあまあ、学年で常に一位だし」


本当だったら、嬉しくなくはないけど。