その指に触れて

「山田くんって、けっこう人の心配するんじゃない?」

「そうかな。普通だと思うけど」


倉庫までつけてきたのはさすがに引きましたけど。


「万梨子が倉庫でやられたのを聞いたから、心配したんじゃないかな。またやられるんじゃないかって。もしかしたら、万梨子が自分のことを好きだからやられたと思ってるのかも」

「遥斗が? まさか」


頭の回転が早い遥斗がそんな余計なことを考えるだろうか。


「自分が離れて、お互い考える時間を作ったのかも。頭を冷やして、万梨子は元カレとやったことにケリをつけろって」

「……瞳、あんたって」

「え?」

「すごい想像力だね。尊敬するよ」

「万梨子、私マジなんだけど」

「仮にさ、瞳の見解が正しかったとして、晃彦とケリつけてもどうすんのよ。遥斗は勉強があるから、どうやったって遥斗はあたしになんか振り向かないよ。W大なんてあたしは雲の上の存在だし、追いかけることなんてできないし」

「追いかけて欲しいんじゃないの? 山田くんは」


汐香がにやりと笑った。