その指に触れて

「俺から言わせると、万梨ちゃんも十分短いけどね……」

「膝上十センチなんて平均だよ。もっと凄い子、クラスに結構いるでしょ?」

「そりゃあ、まあ……」

「でも、やっぱり遥斗も男の子だね」

「え?」

「女の子の足見るの。やっぱり男って変態」

「万梨ちゃんに言われたくないけど……」


こんな会話が男女間で成立するのは、前にも後にも遥斗とだけだろう。


「あたし?」

「昼間っから本人に欲情するなんて言う人、男でもそうそういないよ」

「だってそうなんだもん。なんならもっと言おうか? 遥斗とやってみた……」

「はいはい、わかったから。万梨ちゃんはほんと変態だよ」

「それ、宥めるように言っても、あたしには慰めにはならないからね」


あたし、いつから遥斗の中でも変態キャラになったんだ?