その指に触れて

そして、今に至る。

「彼女とよろしくやってんの?」

「まあな」

「……セフレとは?」

「彼女と付き合う時に切った」


これもおかしな話だ。


あたしと切れていなかった頃、晃彦は数人の女の子と浮気していたという。とは言ってもメインは今の彼女で、他はセフレみたいなものだったらしいけど。


おかしな話だ。なんで彼女だったあたしと付き合っていた時はセフレまでいて、今の彼女には一途なのだろう。


まあ、やらせてくれるなら誰でもよかったのかな。今の彼女は思う存分やらせてくれるのだろう。それもすごいけど。高校二年生だよ。


要するに、目の前の男は隠れ下半身バカだというわけだ。


人懐っこい笑顔の裏に騙された。


まあ、あたしの見る目がなかったのだ。元カレと別れてすぐにこいつが目の前に現れて、おそらく目がくらんだのだと今は思うようにしている。