あたしは冬弥くんから少し離れた。





もう、これ以上抱きつかれたあたしの心臓がほんとに持たない。




そう思って離れたのに





「ごめん、こんな事されたら嫌だよな」





冬弥くんは寂しそうにそう呟くように言った。





いやじゃないのに。




ただ、心臓がドキドキするからなのに。





あたしはどうしていいか分からなかったから、






「嫌じゃない」




そう小さくつぶやく事しか出来なかった。