―ガリガリッ 透明な板を爪でひっかく。 「外に出たいのか?」 ―カラカラカラ… 透明な板が横に動き外へと出ると、みずきを振り返った。 「にゃー」 すぐに帰ってくるからね。約束! 「なんだ、もう行くのか」 みずきは悲しげに笑い私に手を振る。 「にゃー…」 またね… 「もう、ひかれるなよ」 その言葉を最後に私は駆け出した。 少しでも早くあの子のもとへ。 一秒でも早くみずきのところへ帰るために…