―ザァァァ……


冷た……い…
ううん、痛い………


体が重くて、自分のものじゃないみたい…


多分…私死ぬんだ………


先程大きな箱みたいな物と衝突した。
この通りは箱の通りが激しいから、いつもなら遠回りしていたのだけれど……


今日は急いでた。
私の家族とも言える野良猫がお腹を空かせて死にそうだったから。


でも急いでた事が裏目に出た。


突然光に包まれたと思ったら体が宙に浮いて地面に叩きつけられた。




くわえていたパンの耳もどここかへいってしまった。


「ニャー……」


誰か……
助けて………


行かなくちゃ……
待ってるんだ、あの子が……



「可哀想に、跳ねられたのね…」

「うわぁ、ひでぇな」

「回収早く来ないのかね、汚い」


人間が私を見ては通り過ぎていく。
冷たい目が私を見ては逸らされる。


「…おい、しっかりしろ!」


―不意に雨が止んだ気がした。
すぐ傍で声が聞こえた。