「小一時間くらいで帰ってくればいいから。頼んだよ」
こうして僕は、半ば強制的に城島の家に家庭訪問することになった。
別に、城島のことを面倒だとか、疎ましく思っているわけではない。大切な生徒の1人だ。
不登校という問題は解決しなければならない。
ただ、僕は教師になって一年目。
こんな僕が、不登校問題を解決できる術を知ってるとでも?
もちろん知らない。知るもんか。
僕が高校の時も、不登校はいた。
担任の教師も全力を尽くしてはいたが、結局そいつは学校に来なかった。
ベテランにできないことが、新米にできるものか。
