成長してからも、凛の体質は変わることは無かった。
逆に、普通の体質の人間が悦ぶようなことをしても、全く気持ちよくないらしい。
このことを知っているのは私だけ。
この子を満たすことができるのは、私だけだ。
私はこの子の全てなんだ。
悦びの代わりに増えていくのは生傷だ。
我が子が痛々しくて仕方がない。
しかし凛は、毎晩のように私に求めてくる。娘の頼むことには断れなかった。
中学に上がったあたりから、凛が「学校に行きたくない」と言い始めた。
体育の授業で、体操着に着替えるときに体中の傷を友達に見られ、それ以来話してくれないらしい。
なら、学校に行かなくていいよと凛に伝えると、とても嬉しそうな顔をした。
学校なんて行く必要ない。
ずっと私の側で、その幸せそうな笑顔を見せてくれ。
凛は、痛みが大きければ大きいほどに感じるようで、痛みが大きいときは見たこともないような笑顔をしてくれた。私はそれを見るのが大好きだった。
ただ、度が過ぎると、死んでしまうのではないかと思うほど出血するときがあり、ヒヤヒヤしてしまう。
