「警察の人には、私が全てはなしました。家に行って調べるそうです」
「そう…か」
凛は、傷だらけの顔で微笑んだ。
「まさか本当に先生が助けに来てくれるなんて…思ってもなかった。ありがとうございます。先生が来てなかったら、今ごろ私…」
「聞いてもいいか」
「…え、はい」
「あの男…お父さんは、何を」
凛は俯いてしまった。聞かない方がいいのかもしれないが、僕には知る権利があると思っていた。
あの傷…古いものもあったということは、以前からもこういうことがあったはずだ。
昨日長袖を着ていたのも、きっと傷を隠すため。部屋の明かりがぼんやりなのも傷を見えにくくするためだ。
なぜ、あの男は凛にそんな事を?
あんなに仲が良く、親しい親子はそういない。なのに…
何か理由があるとしか思えない。
その理由が、知りたい―――
