凛は手術室に運ばれ、輸血を行っている。
警察は僕を疑っているようだ。真っ先に僕が疑われるのは当然のことだろう。
ただ、今は話せる状況ではないと、それだけ伝えた。

三時間か、もっとだろうか。それぐらいが経つと、ようやく手術室から凛が出てきた。
傷は縫われ、先ほどよりも目立たなくなっている。ただ、腕には昔についたような古い傷跡がたくさんあった。

病室のベットに横たわる凛を見つめていると、携帯にメールが届いた。
今は見る気にはなれない。
とても眠かった。疲れた…





「先生、先生」

誰の声だろう…聞き慣れない、けど、心地よい声だ。天使みたいな…

「っ…」
「あ、起きた」

病院…

「ごめんなさい…私のせいで、先生に迷惑たくさんかけてしまって…」

…そうだった。
思い出してしまった。今日あったことを、すみずみまで。