「岡崎先生」 僕を呼び止める、低くて太い声。 学年主任の岩元だ。 「なんでしょうか」 「今日、この後暇かね?」 嫌な予感しかしなかった。 この男は、面倒なことは全て人に任せるような奴だから、だいたい何が言いたいのかわかる。 しかし特に予定もない。 「ええ、まあ」 「そうか!丁度良かった。君に頼みたいことがあってね」 ――――予感的中。