Another World




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「さっみー!まじで今7月?」



俺たちは今、4時間目の体育の授業の為に
運動場に半袖・半ズボンの格好で立っていた



相変わらず空はどんよりとしていて
今にも雪が降ってきそうだが
まだ降ってきてはいない




「俺、凍死しそう…」

ガクガク体を震わせ
俺に身を寄せる旭。


「我慢しろよ。50分くらい
あっという間だって」



そういう俺も実は寒さで死にそうだ



「50分?!ぜってぇ無理
中途半端だよなー。
雪降るならふれっつーんだよ」


「そーですね」



旭の愚痴を聞いていると
体育教師が全身ジャージ、
しかもちゃっかり手袋と耳あてをして現れた




「あ!ずりぃ!
それでも体育教師か!」


いろんな所から野次が飛ぶ



「俺は人一倍寒がりなんだよ!」


…全然理由になってませんけど



「つべこべ言わずにグラウンド3周してこい!」



俺たちは渋々、体育教師の言ったように
グラウンドを走る





と、顔にひんやりとしたモノがあたった



それが合図になったように
モノは数を増して
空から降ってきた



「うわ!雪だ!」



白い息を吐きながら
一人が叫んだ




「まじかよ…」





天気予報は当たっていた