「あ、祐介。はよー」


学校につき、俺が指定されている
自転車置場に自分の自転車を押し込んでいると
後ろから声が聞こえた


「はよ。旭」


俺は短く返事をした

旭は中学からの友達で
高校でもよく一緒につるんでいる


「なぁ、今日寒くね?」


俺と旭は肩を並べて歩いていると
旭が言った


「だよな。天気予報では雪っつてたな」


「だから今日、俺ブレザー着てきたし
つーか何で祐介きてねぇの?」


言われてみれば旭はちゃっかり
ブレザーを着ていた


「俺?雪なんて降るわけないと思って」


「ふーん。けど真面目に降りそうだぜ?」



そういうと旭は顔を上げて
どんよりとした空を仰いだ


「気のせいだって
ほら、下駄箱ついたぞ」



俺は空を仰いでいる旭に
カバンを背中にぶつけて走りだした




「イテッ。あ、待てよ!」