「なぁに?」


キッチンに立っていた母さんは
俺に見向きもせず返事だけ返した


「今日、寒くない?」



「そうねー。今日は涼しいわね
もうご飯できてるから食べなさい」




いや、"涼しい"のレベルは越えてるよ


という突っ込みを入れたかった


が、時計の示す時刻が時間がないことを
宣告していたので俺は
ぐっとこらえて椅子に座った



目の前にはいつも通り
パンと目玉焼きが並んでおり
コップに牛乳が注がれてあった



そのコップに手を掛けたとき
ふと、BGMと化していた
テレビの音が耳に入った






"--西高東低の冬型の気圧配置で
全国的に雪が降るでしょう…"






「ハ…?」




俺は耳を疑った