「ちょっと!またアンタ、
あたしが取っておいたお菓子
盗んで食べたでしょ?」


「あ"ぁ?人聞きわりぃな。
俺は机に置いてあった菓子を食べただけだ」


「むっきー!」



綺麗な艶のある金色に近い髪の色をした女子と
黒髪の鼻筋の通った青年が入ってきた


何やらお菓子について喧嘩している様


そのあとからアマリネが
後を追って入ってきた




「あのお菓子は任務が終わってから
じっくり味わって食べようと思ってたのに」

「なら、今から俺がトイレ行って…」


青年が言葉を続けようとした時
女子の手に刀が握られているのに気付く



それもただの刀じゃない




「黒い…刀?」




一見、日本刀に見えるが色が違う
鉄からできているなら銀色なのは当たり前だ

だったら今青年に向けられたあの刀は…?



ただただ立ち尽くす俺の横に
アマリネがため息を吐きながら立っていた


「あれ、いつもの事だから気にしないで」

「…はぁ」


俺は頷くしかなかった



刀を向けられた青年は
微笑を浮かべながら


「食べ物の恨みはこえーなー」


なんて呑気な事を呟きながら剣を抜いた


その剣は黒い刀とは対照的に異様に白く、大きい



「ほら、かかってこいよ?」

剣を肩に担いで口角を上げる青年の態度は
彼女にとっては挑発以外、何物でもなかった




刀を握りなおし彼女は地を蹴った



その時




「最初くらいちゃんとできないのかしら」


その言葉を耳した時
俺とアマリネの前を何かが横切った