「どういう意味だよ。
俺がカバン持つから一緒に帰ってんだろ?」
さっき自分で言ってたろ
そういえば恭子は
ブンブンと首を横に振った
「そんなの旭くんがいたからよ」
なんだよ…
つーことは何だ?
恭子は俺の事…
いや、それはあり得ないだろ
「恭子は何が言いたいわけ?」
単刀直入に切り出せば
恭子は困った顔をして
「だいたい予想つくでしょ?」
と言った
「予想ねぇ…」
予想はつくが、
自分から「告白だろ」なんて
簡単に言えるワケがない
そして何より今の雰囲気だ
こんな喧嘩腰のような
告白は初めてだ
もしかしたら俺の勘違いかもしれない
なんて足元に積もっている雪を
見ながら考えていると
雪の中に何かキラキラしているものが見えた
「何だこれ」
「ちょっと祐介!
ちゃんと聞いてるの?」
怒る恭子を無視して
俺は自転車を止めて
その場にしゃがみこみ込んだ
そしてキラキラしたものを
雪をかき分けて手に取った
「ネックレス…?」
深紅色したガーネットのネックレスだった
